ネコたち

1ネコ、2ネコ、3ネコ・・・毎日ネコの数を数えて自転車旅を続けてきたが、今日はゴール手前で数えるのをやめた。つぎつぎとよく似たネコが現れて、数えきれなくなったのだ。

今日のキャンプ地とした海沿いにあるこの公園はあちこちネコだらけ。一体何匹のネコがいるのだろう。柄の同じようなネコがたくさんいて数えるのがむずかしい。きっと兄弟なのだろう。東屋のそばの程よい場所にテントを張ると、その中のおよそ10匹ほどが、われわれのテントを遠巻きに囲んだ。そして少しずつ少しずつ、音もたてずにその輪を縮めてきた。これはいったいどうなることかとようすを見ていたが、このネコたち、見知らぬ闖入者に興味はあるものの人が好きというわけでもないらしい。気を許してすり寄ってくるネコは一匹もいない。ある一定の距離を保ちながらお互い見つめあうばかりだ。そしてしばらくして何も得られないことを知ると、彼らは少しずつ散開し、小さなネコはじゃれ合って遊んだりと、ネコの日常時間にもどりだした。われわれもなんとなくその場の一員になれた気がしてほっとした。

夕方、買い出しから戻ってきたゆうと相談して、今日の炊事はテント前を諦め、近くにある防波堤の先で行うことにした。われわれの作る食事はネコたちにはしょっぱすぎるので、あげるわけにはいかない。ネコたちにへんな期待をさせるのもかわいそうだ。すっかり日の暮れた防波堤の先端で波の音をききながら、ヘッドライトの明かりをたよりにパスタを茹でていると、はるか防波堤のつけねにちらちらと小さく光るものがある。まさか!

しかしそれはたしかに二つの目で、ゆっくりゆっくり近づいてくる。ああ、やっぱり来ちゃったか。結局私たちが食事を終えるまでに3匹の猛者が防波堤の先端まで到達した。結局なにもあげなかったが。そして早朝、テントで爪を研ぐ音で目覚めた私たちはあわてて撤収を開始し早々に退散。そのため翌日は昼過ぎに目的地に到着してしまい、時間を持て余して映画をみることになる。

そういえはあのネコたち、あんなにたくさんいたのに一匹もニャーとも鳴かなかったな。なんだか不思議なネコたちのいるネコの海の公園。

夜の防波堤

 

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